従業員による不適切投稿を防ぐ!SNS研修の重要性と具体的な進め方

従業員による不適切なSNS投稿が発端として炎上し、会社のブランドイメージが下がり顧客の信頼を失う事象が後を絶ちません。「社会人としてのSNSとの付き合い方は、わざわざ教えなくとも分かるだろう」と過信するのは危険です。本記事では、SNS教育不足がもたらすリスクと、従業員SNS研修を通じた具体的なリスク回避方法を解説します。

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まさか従業員がこんな投稿を?!SNS研修が必要な理由とは?

SNSの拡散力を軽視した従業員の不適切投稿

SNSの普及により、個人が投稿した内容が一瞬で拡散される時代となりました。従業員は「裏アカだから大丈夫」「24時間で投稿が消える」など、SNSの特性を軽視し、不適切な投稿をしてしまうことがあります。

社会人としてのSNS利用を学ぶ機会が不足

学校教育では「SNSの基本的な使い方」は教えられていますが、「社会人としてのSNSリテラシー」を学ぶ場は企業の研修に依存しています。これを怠ると、企業は従業員のSNS投稿によるトラブルのリスクを抱えることになります。

行き届いていないSNS教育が招く不適切投稿の例

学校教育で「SNSの使い方」を学ぶ機会は増えてきましたが、「社会人としてのSNS利用」に関する具体的な教育は、企業が主体的に研修を行わない限り身につけることができません。特に、人手不足でアルバイトや非正規雇用の従業員に依存する業界では、日々の業務が優先され、SNS教育まで手が回らないケースが多く見られます。このような環境では、従業員の不適切なSNS投稿が炎上を招き、企業の管理責任を問われるリスクが高まります。

ここでは、SNS教育不足がもたらすリスクを理解するため、従業員による想定される不適切投稿のケーススタディをいくつかご紹介します。従業員SNS教育が不足すると、以下のような投稿が原因で炎上や企業イメージの損失につながる可能性があります。

1. お客様のプライバシー侵害

結婚式場の従業員がお客様のテーブルコーディネートを勝手にSNSに投稿した例

お客様のプライバシー侵害 結婚式場の従業員がお客様のテーブルコーディネートを勝手にSNSに投稿した例

2. 業務情報の漏洩

病院のスタッフがカルテが写った写真をSNSに投稿した例

業務情報の漏洩 病院のスタッフがカルテが写った写真をSNSに投稿した例

3. 著名人のプライベート暴露

飲食店のスタッフが著名人の来店情報をこっそり投稿した例

著名人のプライベート暴露 飲食店のスタッフが著名人の来店情報をこっそり投稿した例

4. 職場での悪ふざけ投稿

バイト先での食品取り扱いの不適切な行為をSNSでシェアした例

職場での悪ふざけ投稿 バイト先での食品取扱の不適切な行為をSNSでシェアした例

従業員SNS研修に取り組む前の心構え

世代によるデジタルリテラシー格差が存在する

SNS研修をする側と受ける側には、SNSに対する意識の相違があることを理解しておかなくてはなりません。SNSと共に育ってきたデジタルネイティブな世代にとってはSNSは生活の一部であり、第三者から見た投稿内容の印象を深く考えず、発信は気軽なものと捉えられています。そのため「少し考えれば、問題となる投稿だとわかるだろう」という考えは捨てるべきです。社会人としてどのようにSNSを利用するべきなのか、より内容に具体性を持たせて丁寧にSNS教育をする必要があります。

SNS教育をする方もデジタルリスクについての知識が必要

社内のSNS教育担当者となれば、SNSリスクに詳しくならなければなりません。SNS炎上が起きると企業存続の死活問題にも発展するので、社内にSNS教育のチームを発足しましょう。ジールコミュニケーションズではSNS教育についての無料ウェビナーもおこなっているのでぜひご活用ください。

従業員SNS研修を成功させるための3つのポイント

1.ソーシャルメディアガイドラインの策定

従業員SNS研修の基盤となるのが「ソーシャルメディアガイドライン」です。このガイドラインを基にした教育を行うことで、従業員はリスクを正しく理解し、適切な行動を取れるようになります。

ガイドラインの主な内容例

  • 禁止事項の明確化:顧客情報や機密情報の漏洩を防ぐルール
  • リスクの共有:炎上事例を基にしたリスク解説
  • 対応フローの明示:トラブル発生時のエスカレーション手順
  • 資料提供:ガイドライン策定に役立つテンプレートを無料配布中!詳細は下部CTAをご覧ください。

2.カスタマイズされた研修プログラム

効果的なSNS研修を実現するためには、従業員の役職や業務内容に応じてプログラムをカスタマイズすることが重要です。

  • 新入社員向け: SNS利用の基本ルール
  • アルバイト・パート向け: 不適切投稿防止の具体例
  • 管理職向け: トラブル時の対応フローと責任範囲の共有

3.継続的な教育でリスク意識を高める

SNSのトレンドは日々変化しており、一度の研修で終わらせては効果が薄れます。継続的な教育を通じてリスク意識を定着させ、最新の炎上事例を取り入れながら内容をアップデートしていきましょう。

具体的な従業員SNS研修のプログラム例

従業員SNS研修では、具体的なルールや事例を取り入れたプログラムを設計することが重要です。ここでは、効果的な研修プログラムに含めるべき内容を具体的に紹介します。

1.社会人としてのSNSルールを理解する

SNSは個人の利用だけでなく、企業のブランドや信頼性に直結します。特にデジタルネイティブ世代には、SNSのリスクや影響力を具体例とともに理解してもらうことが重要です。

2.情報漏洩を防ぐためのルール

SNS投稿に社外秘の情報が写り込むリスクを防ぐため、以下のルールを教育に取り入れます。

禁止事項

・オフィス内や業務中に撮影した画像・動画に機密情報を映さない
・投稿前に必ず同僚や上司の確認を受ける

研修での活用方法

・実際に情報漏洩が起きた事例を基に、問題点をディスカッション
・「どこにリスクが潜んでいるか」を見つける演習を実施

3.機密情報の公開を防ぐルール

リリース前の製品情報や社内資料が意図せず拡散されるリスクを防ぎます。

禁止事項

・未公開の製品やサービスに関する情報を投稿しない
・社外秘資料や会議中の写真をSNSに掲載しない

研修での活用方法

・具体的な投稿例を見て「どの情報が問題か」を分析するワークを実施
・情報漏洩のリスクとその影響をシミュレーション

4.顧客情報を保護するルール

顧客のプライバシーを守るための基本ルールを共有します。

禁止事項

・著名人や顧客の来店情報を無断で投稿しない
・撮影や投稿前に必ず顧客の許可を得る

研修での活用方法

・実際に顧客情報の流出が炎上につながった事例を共有
・チームごとに「顧客のプライバシーを守る方法」を考える演習を実施

5.裏アカウントのリスクを理解する

「裏アカだから大丈夫」という誤解を解消し、SNSリスクを徹底的に周知します。

禁止事項

・個人アカウントでも会社名や勤務先が特定される投稿を行わない
・裏アカウントでも不適切投稿が拡散されるリスクを認識する

研修での活用方法

・裏アカが特定され炎上に至った事例を紹介
・参加者自身が裏アカ運用で起こりうるリスクを洗い出すワークを実施

6.ステルスマーケティングを防ぐルール

企業の信頼性を損なうステルスマーケティング(ステマ)を防ぐためのルールを明確化します。

禁止事項

・一般消費者を装った製品の宣伝行為を行わない
・従業員としての立場を隠して口コミ投稿をしない

研修での活用方法

・ステマが原因で問題となった企業の事例を分析
・適切な宣伝方法と透明性を保つ手法を考えるセッションを実施

7.SNSで炎上しやすいテーマ「炎上さしすせそ」

SNS投稿において特に炎上しやすいテーマを従業員に意識させます。

炎上リスクが高いテーマ例

さ…差別や災害
し…思想や宗教
す…スキャンダルやスポーツ
せ…政治やセクシャルな内容
そ…操作ミスや誤送信

研修での活用方法

参加者にこれらのテーマで過去に炎上した事例を共有し、回避策を話し合うワークを実施。

8.同業種の炎上事例や考えられる炎上例を紹介

自社や同業他社の事例を基に、具体的なリスクを理解させます。

研修での活用方法

・自社で実際に起きた問題や、他社の炎上事例を元にディスカッションを行う
・炎上後の対応策や再発防止策を考えるセッションを実施

研修を成功させるための工夫

従業員SNS研修を成功させるための工夫

ワークショップ形式の導入

過去に起こった炎上事例から、「なぜ起こってしまったのか?」を話し合いながら、互いに意見を出し合って理解を深めていくのもよいでしょう。より「自分事」として捉えてもらえます。

理解度チェックをアンケート

研修が終了したら、従業員にSNSリスクの理解度チェックとアンケート調査を行いましょう。そこから、次回研修時の改善案を見出し、SNS研修内容をより良いものにアップデートさせていきましょう。

継続的な研修でリスク意識を定着

SNSのトレンドは常に変化しているため、最新の炎上事例や知識を取り入れた継続的な研修が鍵となります。

従業員SNS研修方法の種類

SNS研修の方法は大きく分けて「自社でSNS教育担当者を決めて社内完結させる方法」と「デジタルリスク専門会社に委託」する方法があります。

メリットデメリット
社内研修・自社の状況に合わせた内容を作成可能
・費用を抑えられる
・SNSリスクの専門知識が必要
・準備や講師の負担が大きい
専門業者による委託研修・専門家による今品質な教育
・最新の事例やリスク情報を取り入れられる
・研修費用が発生する
・カスタマイズしなければ汎用的な内容になる

まとめ

SNS研修の成功は、具体的なルールを従業員に浸透させることにあります。実践的な演習やディスカッションを取り入れることで、より効果的な研修プログラムを設計しましょう。

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