企業や商品・サービスのブランディングのためにSNSを活用する企業も増えてきましたが、ただ商品・サービスの紹介を行っているだけではSNSブランディングを成功させることはできません。
そこで今回はSNSブランディングの手順やブランディング成功のポイントをわかりやすく解説いたします。「ブランディングの為にSNSを使うことになったけど、何から始めたらいいかわからない!」というご担当者の方はぜひ本記事をお役立てください。
また「SNSを活用していきたいけどブランドイメージが崩れないか不安」と感じているご担当者様には、弊社開催ウェビナー【リスク対策のプロが考える!SNSアカウント設計・運用のベストプラクティス】がおすすめです。ぜひこちらもご活用ください!
目次
SNSブランディングとは?
SNSブランディングとは、SNSを使って企業や商品・サービスの発信を行うことでブランドイメージを浸透させる活動のことを指します。ブランディングにより、購入や導入を検討するタイミングで、企業や商品・サービスを第一想起してもらえるようになることと、購入の確率がぐっと高まります。
今、SNSブランディングに力を入れるべき理由
CMをはじめとした広告やWebコンテンツも有効ですが、近年ユーザー数が増え続けているSNSを使えば、より多くの潜在層にもブランドを知ってもらえる可能性が高まります。特にInstagramは国内アクティブユーザー数が、2019年から2023年のたった4年間で3300万人から6600万人まで増えており、若い世代だけでなく幅広い世代に利用されるツールとなっています。
以前はテレビや検索エンジンを使って行われていた情報収集も、現在はSNSで行うユーザーが増えており、こうした背景からも現代の企業ブランディングにおいては欠かせない存在になっていると言えるでしょう。
SNSブランディングのメリット・デメリット
ではここで、SNSブランディングを行う上でのメリット・デメリットをご紹介します。
メリット | デメリット | |
コスト | 広告費を抑えられる | 運用コスト (人件費・時間) がかかる |
拡散力 | ブランド認知が 広がりやすい | 炎上リスクあり |
ユーザーとの関係性 | UGC(口コミ)による 信頼獲得・売上増加 | UGCの内容を コントロールできない |
SNSブランディングのメリット
- ・広告予算を抑えられる
- ・ブランド認知がより広がりやすい
- ・UGCの増加による信頼獲得・購買促進も見込める
ブランディングにSNSを使う大きなメリットとして広告費を抑えられるという点があります。SNSは基本的に無料で使うことができるため、多額の広告予算をかける必要がなくなります。各SNSのユーザー数も年々増えているので、多くのユーザーへとブランド認知を拡大することも可能です。
またUGC(ユーザー生成コンテンツ)を増やしてブランドイメージを高めることも可能。ハッシュタグをつけて投稿してもらったり、アカウントをタグ付けして投稿してもらったりすることで、ユーザーからユーザーへとさらに口コミが広がり、ブランド認知を拡大していくことができます。
SNSブランディングのデメリット
- ・SNS運用にコストがかかる
- ・UGCをコントロールできない
- ・炎上によりブランドイメージが低下する可能性も
投稿作成やインサイト分析などを継続的に行っていかないとSNSブランディングの効果は見込みにくいため運用コストがかかります。またUGC(ユーザー生成コンテンツ)をコントロールしきれないため、思わぬ悪評が投稿された場合には、意図しないブランドイメージがついてしまうことも。さらにSNSの投稿内容によっては炎上が起こり、企業のブランドイメージを下げてしまう可能性も孕んでいます。
SNSブランディングができるSNS
では次に、SNSブランディングにオススメのSNSを3つご紹介します。
特徴・強み | ブランディング対象 (おすすめ) | |
画像や動画で 視覚的に訴求できる | 女性向け商品 有形商材 | |
X(旧Twitter) | トップクラスの 拡散力 | 無形商材 BtoB商品・サービス |
YouTube | 動画に圧倒的強み 幅広いユーザーが利用 | 有形・無形商材 どちらも向いている |
Instagramは国内アクティブユーザー数が約6600万人のSNSです。画像や動画を強みとしたSNSなので、視覚的にブランディングを行うことができます。女性比率が高いため、女性をターゲットにした商品・サービスや、視覚で訴えられるような有形商材のブランディングに向いています。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は国内アクティブユーザー数が約6700万人のSNSです。Xはテキストベースの投稿で、ユーザーが他のユーザーの投稿を「リポスト」(共有)する仕組みがあるため、拡散力がSNSの中でもトップクラスに強いのが特徴です。テキストベースの投稿になるため、無形商材やBtoBのブランディングに向いています。
YouTube
YouTubeは国内アクティブユーザー数が7120万人のSNSです。他のSNSは若い世代がメインなのに対し、YouTubeは10代から60代まで幅広い世代で利用されています。動画に強みを持ち、最近はYouTubeショートと呼ばれるショート動画のコンテンツも誕生しました。
動画は1分で約180万語の情報量を伝えられると言われており、ユーザーに対してより深い訴求ができるため、ブランドイメージを浸透させることに繋がります。有形商材はもちろん、無形商材やBtoBのブランディングにも有効です。
SNSブランディングの5ステップ
ではここから、SNSブランディングの5ステップをご紹介していきます。
1. ブランドアセットを設定する
ブランドアセットはブランドの価値を高めるための資産のことで、具体的にはブランドで利用するロゴやキャッチフレーズ、タイポグラフィ、ブランドストーリーなどのことを指します。ブランドアセットを設定しておくことで、ユーザーにブランドを認知させ、印象を残して第一想起してもらいやすくなります。決めておくことで、投稿やアカウントがブランドに沿ったものになり、ブランディングを成功させやすくなります。
2. CEP(カテゴリーエントリーポイント)を設定する
CEP(カテゴリーエントリーポイント)とは、カテゴリーを想起するきっかけやヒントのことを指します。例えば清涼飲料水メーカーであれば、カテゴリーは炭酸飲料、CEPは夏の暑い日やお風呂上りといったイメージです。ブランド名やブランドアセットを想起してもらえるCEPが多いほど購入に繋がる可能性が高まります。カテゴリーで上位に入れば売上も伸びていくので、CEPを増加・強化し、各カテゴリーで最も想起されるブランドを目指しましょう。

3. ブランドガイドラインを策定する
ブランドガイドラインとは、ブランドのデザイン表現に関する基本的なルールや、トーン&マナー、写真・イラスト表現などをまとめたものです。作っておくことで、企業として一貫したメッセージやビジュアルを発信することができます。運用担当が変わったり、複数人で運用を行ったりする場合、発信者によってデザインやメッセージが変わることも防げるため作っておきましょう。
4. ブランドガイドラインに沿って運用する
ブランドガイドラインに沿って運用を行っていきます。「狙ったCEPを強化できているか」を軸に投稿やキャンペーン、広告などを行っていきましょう。
また運用担当がブランドガイドラインに沿って発信できているかどうかも確認し、不備があればガイドラインに沿って発信をしてもらうようにします。ブランドイメージを構築するためには、決めたブランドガイドラインを運用担当に遵守してもらうことが大前提になるため、研修などを行ってガイドラインを浸透させることが大切です。
5. 定期的にブランド認知度調査を行う
定期的にブランド認知度を調査することで、意図通りのブランディングができているかを確かめましょう。ブランド認知度や各CEPでの想起度合いを確認します。Webを使った認知度調査であれば、コストを抑えながら同時に多くの人に対して調査を行えるためオススメです。調査の質を担保したいという企業様は外部委託も視野に入れてみましょう。
SNSブランディングを成功させるポイント
では最後に、SNSブランディングを成功させるために抑えておきたい4つのポイントをご紹介します。
1. ターゲットに合ったアカウント選びを行う
SNSブランディングにおいて、どのSNSを利用するかがとても重要です。先ほどご紹介した通り、各SNSで強みや利用層も異なるため、ターゲットに合わせてSNSを選ぶ・使い分けることがポイントになってきます。そのためにも、ブランディング目的であってもターゲットを設定し、どんな人に見てもらい購入につなげたいのかを明確にしておくことが大切です。
2. ブランドガイドラインを厳しく設定しすぎない
ブランドを確立していくために、ブランドガイドラインは欠かせませんが、厳しく設定しすぎてしまうことにより機会損失を生んでしまうケースもあります。例えばブランドイメージが崩れることを恐れて、ユーザーUGCの共有を禁止するといったケースです。ブランドの認知とターゲットへの訴求が行われていないとブランディングの確立は難しくなるため、ブランドガイドラインには少しゆとりを持たせておくことがポイントです。
3. 事前に炎上対策を行っておく
SNSブランディングを行う上で気を付けておきたいのがSNS炎上です。SNSでの発信が炎上してしまうとブランドイメージの低下に繋がります。
- ・投稿前に複数人でチェックする体制を整える
- ・リリースした投稿に炎上の火種になるコメントがないかを確認する
- ・炎上が起こった時の対応フローを決めておく
炎上が起きた際は、その後の対応の早さで炎上の影響を最小限に留めることも可能です。事前に対策を取っておくことで、ブランドイメージを守りましょう。
4. 投稿は継続的に行う
CEPでブランドを想起してもらうためには、定期的にユーザーと接触して「〇〇と言えば◇◇」とイメージを持ってもらうことが大切です。運用にある程度の負担はかかりますが、無理のない範囲でまずは継続して投稿をしていきましょう。
SNSを使って効果的にブランディングを行おう
本記事ではSNSブランディングの手順とポイントについて解説してきました。SNSを使うことで今までよりより多くのユーザーに対して企業の認知を広げ、ブランディングを行うことができます。今回ご紹介したSNSブランディングの手法やポイントを今後のSNS運用にお役立てください!
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