X(Twitter)企業アカウント始め方ガイド|開設から運用までのステップと運用の注意点を解説

これからSNSを始める企業様の中には「X(Twitter)を活用してブランディングや認知拡大をしていきたい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。X(Twitter)は企業やブランドをPRするのにぴったりなSNSですが、開設から運用にあたって押さえておきたいポイントや注意点もあります。

本記事では、X(Twitter)の企業アカウント開設から運用までに必要な準備や運用のポイント、また運用にあたっての注意点などをわかりやすくご紹介いたします。X(Twitter)開設のガイドブックとしてぜひご活用ください。

また「SNS運用での炎上やブランド毀損が不安」と感じている方には、弊社開催ウェビナー【はじめての公式SNS運用~炎上リスクに強いSNSアカウントの開設方法~】がおすすめです。リスクに強いSNSアカウントの開設から運用方法までを本記事よりもさらに丁寧に詳細に解説していますので、ぜひこちらも併せてご視聴ください。

X(Twitter)の特性と他のSNSとの違い

まずX(Twitter)の特性から確認していきましょう。

拡散力国内アクティブユーザー数
※2025年時点
投稿形式
X(Twitter)6,700万人短文テキストがメイン※画像や動画も添付可
Instagram6,600万人画像・短尺動画がメイン
TikTok3,300万人短尺動画
YouTube7,120万人短尺動画・長尺動画

表からわかる通り、X(Twitter)は拡散力の強さに特徴があります。リツイート機能やハッシュタグ機能などがついているため、とても速いスピードで拡散されていきます。また投稿形式においても他のSNSと違いがあります。画像や動画に特化したInstagramやYouTubeと比べても、X(Twitter)はテキストかつ短文で投稿が可能なので、運用を続けやすいのがポイント。はじめてSNSを運用するという企業様にもおすすめです。

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企業X(Twitter)アカウント運用のメリット・デメリット

ではここで、X(Twitter)アカウント運用のメリットとデメリットをご紹介します。

企業X(Twitter)アカウント運用のメリット

1. 認知拡大しやすい

繰り返しになりますが、X(Twitter)は拡散力の強さが特徴です。「まずは多くのユーザーに投稿を見てもらう」ことがSNS運用にとっては重要なので、他のSNSと比べると比較的運用を始めやすいとも言えます。

2. 幅広いユーザー層にアプローチできる

先ほどの表でもご紹介の通り、X(Twitter)の国内アクティブユーザー数は6700万人以上で、LINE、YouTubeに続き3番目に多いSNSです。20代が最も層として厚いですが、平均年齢は37歳と比較的幅広い層に利用されています。そのため、認知拡大やブランディング、集客と言った目的に対して成果の出しやすいプラットフォームと言えます。

3. 投稿発信しやすく、運用コストが低い

X(Twitter)は短文のテキスト形式で投稿ができるため、画像や動画の投稿作成の手間がかかる他のSNSと比べても、運用コストが低いと言えます。「企業でSNS運用を始めたものの意外と運用が大変で結局放置してしまっている」というような企業様も多いので、運用コストの低いX(Twitter)は運用しやすいでしょう。

企業X(Twitter)アカウント運用のデメリット

一方でX(Twitter)運用のデメリットもあります。

1. 炎上リスクが高い

X(Twitter)は拡散力の強さゆえに良くも悪くも情報拡散が速いため、他のSNSと比べて炎上が起きやすいSNSでもあります。もし不適切な投稿をしてしまった場合、投稿はすぐに拡散され、批判的なコメントが多数ついてしまうこともあります。炎上することでX(Twitter)でトレンド入りしてさらに炎上が加速したり、ネットニュースなどに取り上げられてしまうことも。一度炎上すると企業やブランドのイメージは低下し、回復するのにはかなり時間を要します。

2. 運用の手間がかかる

X(Twitter)に限ったことではありませんが、SNS運用自体、運用の手間がかかります。定期的に投稿をしてフォロワーを地道に増やし、アカウントの評価を上げていかないとなかなか効果が出にくいのがSNSです。また投稿の作成やコメント・DMの返信、データ分析、施策起案、投稿のネタ探しなど意外にも業務は多岐にわたります。他の業務と兼業しながら運用するというご担当者様も多いため、確実にチームで回せる仕組みを整えることが重要です。

企業X(Twitter)アカウント開設~運用までの5ステップ

ではここから、企業X(Twitter)アカウントの開設から運用までの5ステップを解説していきます。

1. 運用の目的・ゴール・KPIの設定

まずはX(Twitter)運用の目的とゴールを明確にしましょう。“なんとなく採用や集客に使えれば良いかな”など目的やゴールが不明確な状態から運用を始めてしまうと、途中で放置されてしまったり、成果に繋がりにくくなってしまったりする可能性があります。そのため解説・運用を始める前に「何を目的として、何を達成するために運用を行うのか」を明確にしておきましょう。

また目的やゴールに応じて以下のように、ゴール達成のためのKPIを設定しましょう。

  • 例)
  • ・SNS経由の購入を月〇件
  • ・SNS経由のメディア取材1件/四半期
  • ・月間インプレッション数〇件
  • ・月間エンゲージメント数〇件

2. アカウントのコンセプトとペルソナの設定

目的やゴールを定めてKPI設定を行ったら、アカウントのコンセプトやペルソナを設定していきます。「誰に何を伝え、どう行動変容させるアカウントにするのか」というコンセプトを決めることで、投稿発信の内容や頻度、タイミング、またユーザーとの関わり方などもアカウントごとに変わってきます。そのためこの方針が曖昧になっていると、認知拡大やフォロワーの獲得、集客などの効果も見込めません。X(Twitter)運用の格となる戦略部分をしっかり固めておくことで、運用開始後も効果的に運用ができるため時間をかけてコンセプトを決めましょう。

3. ガイドラインやマニュアルの整備

X(Twitter)運用のためのソーシャルメディアガイドラインやX(Twitter)運用マニュアルを作成しておきましょう。それぞれの役割は以下の通りです。

ソーシャルメディア
ガイドライン
SNS運用・利用時の行動基準を定めた規程
X(Twitter)
運用マニュアル
投稿の手順や投稿前の確認事項、ユーザー対応方法など
ガイドラインをかみ砕いて運用業務で必要な項目をまとめたもの

ガイドラインやマニュアルの整備には以下のようなメリットがあります。

  • ・担当者のミスや不適切投稿を防ぐ
  • ・運用担当者が複数人いても、運用ルールを統一できる
  • ・運用の属人化を防ぐ
  • ・炎上などトラブル発生時に素早い対応ができる

4. アカウント作成

ここまで準備が整ったら、さっそくアカウントを作成していきましょう。アカウントはメールアドレスと電話番号、生年月日などを入力することで簡単に作成できます。複数アカウントを作りたい場合、最大10個まで同じ電話番号で作成することができます。

なお、生年月日は企業の創立記念日やブランドの開設日、リリース日などに設定したいという企業様も多いかと思いますが、X(Twitter)は規約上13歳以上の利用が定められているため、誕生日設定から換算して13歳未満の場合、アカウント凍結されてしまうため気を付けましょう。

5. 運用開始

アカウントが作成出来たらいよいよ運用開始です。投稿スケジュールや運用担当の役割分担決め、投稿の確認フローなどを決めて、実際に運用を始めていきましょう。

企業X(Twitter)アカウント運用のポイント

運用を始めたら気を付けておきたい3つの運用ポイントをご紹介します。

1. ユーザーコミュニケーションを大切にする

SNSにおいては投稿内容や頻度だけでなく、他ユーザーとのコミュニケーションの有無も重要です。普段から他のユーザーとコミュニケーションを取っておくことで、いいねやリポスト、リプライなどの反応が増え、自然と投稿が拡散しやすくなります。

2. 投稿の頻度やタイミングをターゲットに合わせて最適化

投稿頻度の目安は毎日1投稿以上です。X(Twitter)は新しい投稿が優先的に表示されるアルゴリズムになっているため、頻度が落ちると必然的にユーザーの目に触れにくくなるためです。

一方で投稿の回数やタイミングはターゲットに合わせて最適化していきましょう。20代社会人であれば平日の21時以降や土日、30代主婦であれば平日午前9時以降など、ターゲットに合わせて見てもらいやすい頻度やタイミングを選んで投稿することが大切です。

3. ネガティブな投稿内容は避ける

倫理に反する内容や人権を侵害するような内容などは、炎上トラブルが起きやすくなる上に、X(Twitter)運用側からの評価も下がる行為になります。多くのユーザーに見てもらうためにあえて過激な言葉や表現を使って目を引こうとする投稿も見受けられますが、ネガティブな内容は極力避け、チームメンバーが投稿する場合には内容に不備がないか確認するフローを作ることも重要です。

▶【投稿作成で注意したい】炎上しやすい8つの投稿内容とは?

企業X(Twitter)アカウント運用事例

多くの企業でX(Twitter)運用が行われていますが、ユニークな投稿で多くのフォロワーを集め、認知拡大やブランディング、集客につなげている企業アカウントもあります。ここで企業X(Twitter)アカウントの運用事例を5つご紹介します。

帝人株式会社【公式】

引用:帝人株式会社【公式】

帝人株式会社公式X(Twitter)では、運用担当である中の人の日常や会社での出来事を発信しています。BtoB企業ほどSNSでの発信は堅い内容になることが多いですが、このアカウントでは基本毎日朝と終業後の2回、中の人の人柄がわかるようなユーモアな内容が投稿されています。どの投稿にもコメントが多数つき、ユーザー同士のコミュニケーションも活発かつ大事にされているアカウントです。

栗原康太|才流

引用:栗原康太|才流(サイル)

新規事業開発支援やBtoBマーケティングのコンサルティングを行う株式会社才流公式X(Twitter)です。代表取締役が表に立って情報発信を行っているケースですが、BtoB企業ではこのように代表や取締役がインフルエンサー的に発信を行うようなアカウントが多いです。ビジネスチャンスを増やす広報的な役割と同時に、「この人と働いてみたい」と思わせるきっかけを作り、採用につなげるような役割もあります。

株式会社スマレジ

引用:株式会社スマレジ

POSレジを取り扱う株式会社スマレジ公式X(Twitter)です。PR活動として行っているイベントやラジオ、noteの発信をX(Twitter)でシェアしています。他媒体でのPRを手助けする補助的な役割としてSNSを活用しており、拡散力の強いX(Twitter)を利用することでより多くの人にリアルな活動を知ってもらうことができています。

講談社 採用担当/KODANSHA HRDiv.

引用:講談社 採用担当/KODANSHA HRDiv.

講談社採用公式X(Twitter)では採用に目的を絞って、採用イベントの情報や採用募集職種、新入社員研修の様子など、採用に関わる情報発信を行っています。さまざまな情報発信を行うアカウントよりも、採用という目的が明確で一貫した投稿が行えるため、フォロワーにも質の高いユーザーが集まりやすくなります。

JAXA新卒/既卒採用

引用:JAXA新卒/既卒採用

JAXA採用公式X(Twitter)では、インターンやイベント情報、職員のインタビューなどを発信し、企業で働くイメージが湧くような投稿を行っています。アカウント上部には質問箱が設置されているので、いつでも気軽に質問ができ、ユーザーとのコミュニケーションも取りやすい設計になっています。採用アカウントはBtoCもBtoBも変わらない形式で発信が行われている傾向にあります。

企業X(Twitter)アカウント開設時にやっておきたいブランドリスク対策

ここまでX(Twitter)の特徴や開設から運用までのステップなどをご紹介してきましたが、広報やブランドイメージの観点から、X(Twitter)によるブランドリスクを不安に関している企業様・ご担当者様も多いのではないかと思います。そこで最後に、X(Twitter)開設時にやっておくべきブランドリスク対策も併せてご紹介します。

コンセプト・運用方針を明確にする

アカウント開設から運用までのステップでもご紹介した、コンセプトや運用方針の明確化は、ブランドリスク対策にも繋がります。コンセプトや運用方針を明確にしておくことで投稿内容に一貫性を持たせ、担当者の不適切な投稿や不用意な発言を最小限にすることができます。

ガイドラインやマニュアルの作成

コンセプトや運用方針を反映させたソーシャルメディアガイドラインやマニュアルの作成も重要です。業務レベルでの投稿・運用の手順や禁止事項などをわかりやすく定めておくことで、運用担当者の不適切投稿の可能性を最小限に防ぐことができます。

またガイドラインでは、炎上が起こった際の対処法や対応フローも定めるので、有事の際も冷静かつ素早く対応を行うことができます。X(Twitter)での炎上は特に拡散スピードも速く影響も大きくなりがちなため、早めの発見と対応が求められます。

企業名やブランド名、コメント欄のモニタリング

企業名やブランド名、各投稿のコメント欄のモニタリングをして、炎上の火種がないか定期的にチェックする取り組みも重要です。炎上トラブルは想像以上にブランドイメージに影響を与えます。早期発見・早期対応を行うためにも、炎上の火種になるような投稿やコメントがないかチェックしていきましょう。

運用担当者向けの研修を行う

ガイドラインやマニュアルが作成出来たら、運用担当者向け研修を行い内容の落とし込みを行いましょう。多くの企業でありがちなのが、ガイドラインやマニュアルを作ったものの、現場の担当者に使われていないという状況です。業務の効率化はもちろん、リスク対策としてガイドラインやマニュアルが機能するように、現場の社員に理解をして運用を行ってもらうことが大切です。

企業Xアカウント運用には、攻めと守りの視点が重要

本記事では企業Xアカウントの開設から運用の手順や運用のポイント・注意点、運用事例等をご紹介してきました。拡散力が強い一方で、企業のブランド毀損につながる炎上リスクも高いSNSなので、認知拡大を狙う「攻め」の施策の視点だけでなく、ブランドリスクから企業を「守る」対策の視点も持つことが重要です。

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