迫りくる生成AIリスク!SNS従業員教育にAIリテラシーを組み込むべき理由

迫りくる生成AIリスク!SNS従業員教育にAIリテラシーを組み込むべき理由

近年、情報収集やデータ分析、コンテンツ制作など、多くの業務で生成AIの活用が進んでいます。DX推進の一環として、生成AIを導入する企業も増えている一方で、従業員のAIリテラシー不足による情報漏洩やSNS炎上などのリスクも顕在化しています。

AIの正しい使い方を知らないまま活用を進めていませんか?従業員教育の一環としてAIリテラシー教育を組み込むべき重要性をお伝えします。


AIリテラシーとは?

AIリテラシーとは、AIの仕組みや影響を理解し適切に活用できる能力のことです。生成AIの性質を知ったうえで、生成されたデータを鵜吞みにせずに、業務活用していくAIリテラシーを持つことがAI時代に必要なスキルであり、生成AIが生み出すハルシネーションや社会的な影響、デジタルリスクを理解したうえで、生成AIを安全に業務活用できるように従業員教育していく必要があります。

なぜ今、AIリテラシーが必要とされているのか?

日本は少子高齢化や働き手不足などの将来的な問題を抱えています。生成AIを取り入れることで業務効率を格段に上げることができ、顧客対応の自動化などが可能となりDX推進への取り組みとして多くの企業が生成AIを業務に取り入れつつあります。そのため従業員は正しいAIリテラシーを持つことが必要となってきます。

また、これまでの技術のみでは実現が難しかった新たな顧客体験を提供するために、「今の業務のどこにAIを組み込めるか」なども、AIリテラシーがあることで見えてくるのでDX推進の後押しになるでしょう。

従業員に「生成AIが持つリスク」について理解してもらう必要がある

SNS炎上などのデジタルリスクを避けるために、従業員のSNS研修を取り入れている企業は多いかと思います。プラスして、生成AIのリスクについて従業員理解してもらうことは、DX推進の観点からも重要ですが、デジタルリスクの観点からも重要です。

AIリテラシーがないと危険!生成AIがもたらすデジタルリスク

生成AIが新しいコンテンツを生み出す際は、ディープラーニング(深層学習)とよばれる大量の学習データからAIが自ら学習し、最善の回答を導き出すことによって、オリジナルコンテンツを生み出します。これにより、業務プロセスの効率化や新しいアイディアの創出、データに基づいた意思決定支援により様々な業務のイノベーションの促進に役立っています。生成AI特有の押さえておきたいリスクをご紹介します。

著作権問題

出力されたクリエイティブが既存の著作物と似通っていた場合、著作権侵害にあたるかどうかは、類似性(後発の作品が既存の著作物と同一、または似ていること)や依拠性(既存の著作物をもとにして作られたかどうか)が認められるかによって判断されます。そのため慎重な運用が求められます。

ハルシネーションが発生する

生成AIは情報の真偽を確かめず学習データとして使用するので、生成AIは時に実際には存在しない嘘のコンテンツを生成してしまうことがあります。この現象はハルシネーション(幻覚)とよばれており、生成AIの出力したデータはすべて正しいと鵜呑みしてはいけません。慎重にファクトチェックすることが大切です。

機密情報の漏洩問題

生成AIには、指示文として入力されたプロンプトを再学習する機能があります。安易に顧客名や契約情報などをプロンプトとして入力してしまうと、生成AIはその情報を再学習してしまい、場合によっては第三者の生成物として入力された情報が出力され、情報漏洩につながるリスクとなります。特に下記の秘匿性の高い情報はプロンプトとして入力のは危険です。

  • 個人情報
  • 企業機密情報
  • 著作権保護情報

バイアスによる不公正性、偏見が生じる場合がある

生成AIは大量のデータをもとに学習を行うため、参照した学習データが偏っている場合、そのバイアスが生成物に反映されることがあります。差別的なニュアンスやジェンダー概念の押し付けはSNS炎上に繋がりやすいです。企業として情報を出すことは社会的責任が大きいことを自覚しましょう。

成長フェーズにある企業こそ、従業員へのAIリテラシーの教育は必須

DX推進には、生成AI技術の活用は欠かせないものとなってきています。生成AIの強みや弱みなどの特徴を正しく理解して安全に活用するには、AIリテラシーを身につけることが求められています。

新人からリーダー層までAIリテラシーを持つべき

AIの知識は情報システム部など一部の人間が持っていれば良いという話ではなく、社員全員がAIリテラシーを持つべきです。

海外に比べ、日本企業のAIの導入が遅れている背景としてAIの知識不足からくる恐れもあるので、経営層がAIリテラシーを高めることで生成AI利活用のイメージがわき、実際に生成AIを活用することで、新しいビジネスモデルが生まれ、イノベーションが加速していくでしょう。

従業員の無料版生成AI利用のリスクも考慮し従業員教育するべき

会社として生成AIの導入はしていなくても、生成AIの有能さを知る一部の従業員は無料版の生成AIをひっそりと業務利用している可能性があります。会社から無料の生成AI使用の可否や使用時の注意事項がなければ、リスクを知らずに会社の機密情報を入れてる可能性があり、情報漏洩に繋がりかねない大きなリスクとなります。

生成AIを使用するリスクや心得を従業員に理解してもらい、情報漏洩やSNS炎上のリスクを軽減させていきましょう。

まとめ

生成AIは便利で業務効率の向上が期待できますが、従業員にAIリテラシーの教育の機会を与えなければ、知らないうちに会社の機密情報を流出させてしまったり、SNS炎上につながるリスクとなります。SNS炎上を防ぐSNS研修の中の項目の一つとしてAIリテラシーを教育する機会を組み込むことをおすすめします。

ジールコミュニケーションズが配布している『生成AIリスクチェックシート《企業編》』は、生成AI利用時に確認すべきチェック項目とポイントをまとめたお役立ち資料となっておりますので、ぜひダウンロードして生成AIのリスク対策の参考にしてください。

SNS炎上がリアルタイムで発生するのとは対照的に、生成AIのリスクは著作権侵害やバイアスがかかった出力データなど、時間がたって問題が顕在化してくるのが特徴です。成長段階のフェーズにある企業こそ、生成AIリスクの従業員教育を丁寧に行っていきましょう。