SNSなどデジタル領域の急速な発展に伴い、マーケティング活動やリスクマネジメント体制において、デジタル領域への対応が企業・組織にとって重要な課題となっています。ここでは、安心して事業活動を行うために必要な「デジタルリスク管理体制」について解説していきます。
ジールコミュニケーションズでは「組織的なデジタルリスク管理を行いたい」「デジタルリスクに関する知識や人手が足りず困っている」という企業さまに向けて、デジタルリスクに強い組織づくりの伴奏支援と企業活動のサポートを行っております。デジタルリスクに関するお困りごとがある方は、お気軽にご相談ください。
目次
デジタルリスクとは
デジタルリスクとはインターネットを介して起こり得るビジネスリスクのことです。デジタルデバイスの活用による情報漏えいや外部からのサイバー攻撃、SNS投稿によって引き起こされる炎上リスクなど多岐にわたります。
中でも口コミはもちろん商品・サービスに関する内容だけではないSNS投稿による企業への影響が年々拡大しており、情報の把握や適切な対応が取れる体制の構築、従業員への教育などデジタルリスクによる被害を未然に防ぐための管理体制を整えることが重要視されています。
理想のデジタルリスク管理体制の考え方
デジタルリスク管理体制を構築するためには、企業全体で取り組まなければなりません。企業として、どのような方針で、どのようなリスクに対し「どこで、誰が、どのように」対応するのかといった、構築するべき管理体制を明確化することが必要です。
そして、それに基づいた体制の構築と正しい運用を行うことで「理想のデジタルリスク管理体制」を形作ることができます。あたりまえのことのように思われるかもしれませんが、この点が意外に抜けているケースが多く、デジタルリスク管理の担当部門を作ってもあまり機能せず逆にリスクを広げてしまったり、担当者が苦労するといった失敗に陥ってしまいます。
このような失敗を防ぎ、デジタルリスクに強い管理体制を作るために、企業全体での組織的な取り組みとしてデジタルリスク管理体制の基盤を構築し、運用していく姿を考えていきましょう。
構築すべき管理体制の明確化
構築すべき管理体制を明確化していく上で、まずはじめに必要となるのが「自社にとってどのようなものがリスクなのか?」を洗い出していくことです。例えば、
- 既存のリスク管理で対象としているリスクが
「デジタル領域」ではどのようなことに当てはまるか? - 新たに展開していく経営戦略やデジタル活用によって
どのようなリスクが考えられるか?
など、起こりうるリスクを明確にしていきます。
そして、そのひとつひとつに対し、下図の3つの軸の中で「どこで、誰が、どのように」向き合うべきかといった方針を明確にし、それに基づいた対策内容で体系化していきます。
また、現状の取り組みに対する課題点も同様に「何が、どこで、なぜ」発生しているのかを把握し、対応すべき内容を決め体系化していきます。これらがデジタルリスク管理体制の「基盤」を構築していくために必要な工程となります。
さらにこの基盤構築の方針を決めていく際に、「どこまでを自社で行い、どこまでのサポートを外部に求めるか」を明確にすることが、「理想のリスク管理体制」づくりを最短で成功へと導く鍵になります。
ここまでの解説でもうすでにお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、理想のデジタルリスク管理体制には決まった型がありません。事業内容やサービス利用者、企業規模、企業形態など企業ごとに異なるリスクと必要な組織構成が存在するのです。自社にとってその「あるべき姿」を明確にすることで理想のデジタルリスク管理体制は形づくられていきます。
デジタルリスク管理体制を成立させる重要点
理想のデジタルリスク管理体制を構築していくための大まかな考え方について解説してきましたが、このデジタルリスク管理体制を構築・運用していくうえで欠かせない重要点があります。それは、デジタルリスクを正しく把握し、分析・判断のできるリーダーが必要であるという点です。
デジタルリスク管理体制を構築していく企業のよくある失敗例として、新しく専門部署を立ち上げたが、担当者にデジタルリスクに関する知見がなく、「現状の体制やルール・教育内容が正しいのかわからない」まま運用することとなり、様々なインシデントが発生してしまうケースです。場合によっては大事に至り、大きな損害を被ることにも繋がってしまいます。
また、デジタルリスク管理体制を構築・運用していくためには、リスク管理部門やマーケティング部門など関係する全部門の状況を理解・把握しバランスを取っていく必要があり、担当者はその役割が当然求められます。
さらに、デジタル領域の発展・変化はとにかく速く、常に最新の情報を把握したうえで即座に正しい対応のできる体制に変化することが求められます。そのため、常にアップデートされた情報のもと体制の見直しや正しい対応を導き出せる人材が必要不可欠なのです。この重要課題を解決する手段は、
- 社内で育てる
- 外部に委託
- 育てるところも含め外部に委託
の3つが挙げられます。
デジタルリスク管理体制を構築していく際は、必ずこの点を含めた方針の決定をするよう心がけましょう。
まとめ:理想のデジタルリスク管理体制の全体像
「目指す姿」にもとづきデジタルリスク管理体制の基盤を構築、運用できる状態にし、運用状況と課題の把握、改善を繰り返していく。これが理想のデジタルリスク管理体制の全体像となります。この中で特に下記の点が重要な要素です。
- デジタルリスク管理は企業全体で取り組まなければならない
- 構築すべき管理体制を明確にする
「どこで、誰が、どのように」
「どこまでを自社で行い、どこまでのサポートを外部に求めるか」 - 理想のデジタルリスク管理体制には決まった型はない
- デジタルリスク管理における正しい「把握・分析・判断」のできる人材が「ずっと」必要である
これらを理解した上での組織づくりを行うことが、理想のデジタルリスク管理体制を最短で実現する鍵となります。変化の激しいデジタル時代に安心して事業活動を行っていくために、組織的な「デジタルリスク管理体制」づくりを取り組んでいきましょう。
ジールコミュニケーションズの提供する
デジタルリスクコンサルティング
ジールコミュニケーションズは、これまで解説してきたデジタルリスク管理体制の構築に関わる課題の解決を行っております。デジタルリスクマネジメントに必要なスキルセットを有したコンサルタントが基盤構築から運用支援まで、デジタルリスクに強い組織づくりを伴奏支援し、企業活動をサポートいたします。
また、既に取り組んでいる中での課題に対する改善提案など、状況に合わせたコンサルティングを提供しております。