企業SNSの【中の人】になるには?社内インフルエンサーのメリットや注意点などをご紹介

社内インフルエンサーとは?企業で導入するメリットや注意点などをご紹介

昨今のSNSでは「インフルエンサー」の影響力と発信力がますます大きくなっています。そのような背景から企業では新しいインフルエンサーマーケティングの手法として、「公式SNSの中の人」いわゆる「社内インフルエンサー」の活用が広がっています。企業に所属しながらインフルエンサーとしても発信する社内インフルエンサーは、企業にとってメリットが大きい反面、注意点もあります。本記事ではそんな社内インフルエンサーについて、導入のメリットや事例、注意点を解説していきます。

また「社内インフルエンサーを内製したい」「インフルエンサーを社内で育成するにはどうしたらいい?」というご担当者様に向けて、ホワイトペーパー「社内インフルエンサー内製化完全ガイド」を無料でご提供しております。ぜひ本記事と併せて、今後のマーケティング活動にお役立てください。

社内インフルエンサーとは?

社内インフルエンサーとは、企業に所属しながらSNS上でインフルエンサーとしてPR活動を担当する社員のことです。最近はSNSで強い影響力のあるインフルエンサーを活用したPRが多く見られますが、インフルエンサーを外注したり、アンバサダー契約を結んだりすると、PR効果は高い反面費用も高くなります。

また契約するインフルエンサーによっては、自社の魅力をきちんと伝えてもらえなかったり、ブランドイメージと合わずプロモーションがいまいちになってしまったりと、当たりはずれもあります。ですがそんなインフルエンサーも、自社で内製化することが出来れば、コストを押さえながら商品やサービスの魅力をダイレクトに伝えることができます。

現代における「インフルエンサー未満」の必要性

東洋経済オンライン「『インフルエンサー』への信頼感が弱まった理由」によると、SNS利用が多い10〜20代のZ世代は、流行よりも「共感」に反応する傾向があるとのことです。「SNS投稿のうち参考にしているもの」という調査において、25歳以上が「企業のSNS」「芸能人のSNS」を参考にしている一方で、Z世代は「自分たちの日常に近い動画・投稿は信用できる」という理由から、「インフルエンサー」や「一般人」を最も参考にしているという結果が出ています。

社内インフルエンサーは、インフルエンサーと一般人の間。SNSを多く利用する世代の価値観に合わせるのであれば、ちょうどいい存在になると考えることができます。

インフルエンサーを内製化するメリット・デメリット

ここで、インフルエンサーを社内で内製化するメリットとデメリットをご紹介していきます。

社内インフルエンサーを内製化するメリット

1. コストをおさえてPRができる

まず大きなメリットとして、社内インフルエンサーを内製することでコストをおさえることができます。一般的に、インフルエンサー依頼費用の相場は1回の投稿で「フォロワー数×2〜4円」と言われています。どのくらいのインフルエンサーに依頼をするかにもよりますが、この費用がゼロになると考えると大きいですよね。

2. 自社の魅力をダイレクトに伝えることができる

インフルエンサーを外注すると、自社の魅力をきちんと伝えてもらえないこともあります。どんな背景があって、どんな熱量を持って商品やサービスを作ってきたのか、自社の社員であればしっかりと理解をしているはずです。その点、社内インフルエンサーであれば、そんな自社の魅力をダイレクトに伝えることができます。

3. SNS利用世代の価値観にマッチした存在から発信できる

先ほどもご紹介をした通り、SNSの利用が多い10〜20代は、インフルエンサーや一般人など、自分となるべく近い存在に共感することを大切にする価値観を持っています。その点、一般人に近い社員が発信を行うことで人気の高いインフルエンサーやタレントよりも「共感」をしてもらいやすいというメリットがあります。

4. 社員のモチベーション向上

社員からインフルエンサーを起用し、社員自らが表に立ってインフルエンサーとして発信をするようになれば、社員のやりがいにも繋がり、モチベーションも向上します。発信を行う中でマーケティングの知識・知見も広がりますし、周りの社員にとっても良い影響を与えることができます。リード獲得数やフォロワー数などでKPIを引いてインセンティブを設けるなどすれば、さらにモチベーションの向上につながるかもしれません。

社内インフルエンサーを内製するデメリット

では次に、社内インフルエンサーを内製するデメリットをご紹介していきます。

1. インフルエンサーの育成にコストがかかる

まずはインフルエンサーを育成するのにコストがかかる点です。SNS運用の知見はもちろん、マーケティングの概論や、どのようにアカウントを大きくしていくかなどの専門知識がない場合はイチから身に着けて実践をしていく必要があります。

2. アカウントを育てるのに時間がかかるため、すぐには効果を見込みにくい

SNS運用を既に行っている企業様は痛感されていることと思いますが、SNSアカウントを育てるのには、日々の地道な積み重ねがとても大事になります。社内インフルエンサーを起用してもすぐには大きくならない上、そこからCV(コンバージョン)するまでには時間がかかってしまいます。すぐに効果を期待したいという場合には、インフルエンサーを外注した方が良いかもしれません。

3. インフルエンサー社員が退職した際に穴が開いてしまう

社内インフルエンサーとして発信をしてくれていた社員が退社するとなった場合、属人化してしまっていると穴が開いてしまい、またイチからアカウントを作らなければならなくなります。

どのように運用をするのか、どのようにアカウントを大きくしていくのか、社内で運用ガイドラインやマニュアルを作成しておくことで属人化を防ぎ、もし急な退職が起こってもスムーズに施策を続けることができます。

社内インフルエンサーの運用例

ここで社内インフルエンサーを活用したアカウントの運用例を、Instagram、X、YouTube、noteからそれぞれご紹介します。

Instagram運用例

marina saigo(AOKI)

引用元:https://www.instagram.com/aoki_saigo/?igsh=Zjc2OTU4bXkyNjRs

k/m(無印良品)

引用元: https://www.instagram.com/mujisny_?igsh=MTlhMzNpZ3R1eHJudQ== 

junko【公式3COINSアカウント】(3coins)

引用元: https://www.instagram.com/3coins_junko?igsh=aGN3M3d3d2E0N2F5

ご紹介した3つは、それぞれ店舗スタッフがInstagramを利用して、コーディネートや着回し、新商品の紹介などを行っています。定期的にインスタライブを行ったり、ストーリーズで日常の様子を投稿したりすることで、より身近な存在に感じてもらえ、ユーザーから共感を得られている例です。

X(旧Twitter)運用例

Ryosei|挑戦を循環させる人事(メルカリ)

引用元: https://x.com/o9inchi 

橋本あい@Zenken伴走人事

引用元: https://x.com/Zhashi_0827 

ひらったー@採用広報|Cyber Owl

引用元: https://x.com/CyberOwl_OA

それぞれ人事、採用広報という視点から、仕事に関することや価値観、日常のつぶやきなどをしています。仕事の一面はもちろん私生活や日常の一面も垣間見えることで、公式アカウントよりも「人っぽさ」を出すことができるので、身近な存在に感じてもらいやすくなっています。

YouTube運用例

資生堂

引用元:https://www.youtube.com/@SHISEIDOofficial 

有隣堂しかしらない世界

引用元: https://www.youtube.com/@Yurindo_YouTube/videos 

西崎康平 ブラックな社長(トゥモローゲート株式会社)

引用元: https://www.youtube.com/channel/UChN700y3HeGE_gLnUy_9yug

資生堂や有隣堂では、それぞれ美容部員やキャラクターがインフルエンサーとなって発信をしています。また、トゥモローゲート株式会社では、社長がインフルエンサーとなって、ビジネススキルやマインドセットについて発信を行っています。動画は文字や画像よりも人柄が伝わりやすいため、身近な存在として捉えやすいのかもしれません。

note運用例

澤井|株式会社才流(サイル)BtoBマーケティング戦略と施策の立案支援

引用元: https://note.com/sawapp 

クレディセゾン

引用元: https://note.saisoncard.co.jp/m/m4964f3b23479 

中川祥一|タイミー執行役員CMO

引用元: https://note.com/sho1nakagawa/

才流やタイミーではビジネススキルや業界のトレンドなど「仕事においてためになる」情報を発信しています。業務の内容だけでなく、価値観や日常の気づきなども添えているので、同じ社会人としての共感を呼びファンになる方も多いのではないでしょうか。

社内インフルエンサーの注意点

ここまで社内インフルエンサーの運用例をご紹介してきました。では、これから社内インフルエンサーを内製化する場合、どのようなことに気を付けていけば良いでしょうか?注意すべき点を3つご紹介します。

1. 投稿のチェック体制を整える

社内インフルエンサーを内製化するにあたり、投稿のチェックフローを整えておきましょう。SNSを運用している企業様であれば、すでにチェック体制が整っているところもあるかもしれません。しかし社内インフルエンサーはプライベート寄りな内容、価値観に関わる内容を投稿するケースもあるので、いつも以上に投稿内容に気を使っていく必要があります。様々な属性の方からチェックをしてもらい、炎上リスクがないかどうかを確認するフローを整えておきましょう。

2. 属人化しないために手順やフローをマニュアル化する

もし社内インフルエンサーが退職してしまった場合や社内インフルエンサーを増やすとなった場合、社内インフルエンサーが属人化していると、汎用コストがかかってしまいます。そのようなことを避けるためにも、社内インフルエンサーをいつでも誰でも始められるように運用手順やフローをマニュアル化しておくと便利です。

3. 定期的にSNSリテラシー研修を行う

社内インフルエンサーのように自分自身でSNSを運用していると「フォロワーを増やしてアカウントを大きくしたい」「投稿をバズらせて認知を広げたい」など、過激な内容に寄ってしまうこともあります。社内の一人としてSNS運用を行うにあたって、定期的に研修を行うなどしてリテラシーを高めていく取り組みも必要です。

社内インフルエンサーを内製化してみよう!

本記事では、社内インフルエンサーのメリットや運用例、内製にあたっての注意点などをご紹介してきました。「インフルエンサーを外注するのはハードルが高い…」という企業様は、ぜひインフルエンサーの内製化を検討してみてはいかがでしょうか?

ジールコミュニケーションズが配布している「インフルエンサー内製化完全ガイド」では、社内インフルエンサーの内製化の手順や育成方法などをまとめています。社内インフルエンサーの起用を検討しているご担当者様はぜひダウンロードして、今後のマーケティング活動にお役立てください。