SNS利用が拡大する中、これから商品やサービスのPRにインフルエンサーを起用していきたいと考えている企業様も多いのではないでしょうか?影響力のあるインフルエンサーを起用することで大きな広告効果が得られる反面、実は大きなリスクも孕んでいます。
本記事ではインフルエンサーを起用するリスクとその対策について詳しくご説明しています。ぜひ参考にしていただき、今後のマーケティング活動にお役立てください。
目次
拡大する企業のインフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングは、商品やサービスのPR活動をインフルエンサーに依頼することで広告効果を狙うマーケティング施策のことです。株式会社サイバーバズと株式会社デジタルインファクト共同の市場動向調査によると、2023年のインフルエンサーマーケティングの市場規模は741億円、2027年には1302億円になると見込まれており、年々規模が拡大しています。
インフルエンサーを起用することにより、その影響力・拡散力からより多くの人に商品やサービスを知ってもらうことができるというメリットもありますが、一方でデメリットも少なくありません。
インフルエンサー起用にあたってのリスク
1.ブランドイメージのミスマッチ
起用したインフルエンサーと企業や商品・サービスのイメージが合っていないと批判が起こる場合があります。今までと違ったターゲット層を狙うために、あえてブランドイメージを外した広告を出すこともありますが、企業や商品・サービスの既存ファンからの反感を買いファンが離れてしまうといったケースもあります。
2.既存ターゲット層とフォロワーの乖離
起用したインフルエンサーのフォロワーが、PRする商品やサービスのターゲットとずれてしまっている場合、大きなPR効果が期待できないことがあります。
例えば20〜30代向けのコスメをプロモーションしたい場合に、20代後半の女性インフルエンサーにPRを依頼するとします。もしそのインフルエンサーのコアファンやフォロワーの半数が男性だとすると、PRが刺さらず、効果が半減してしまうことになります。
インフルエンサーを起用する際は、インフルエンサーだけではなく、そのフォロワーにどんな人が多いのかをリサーチしたうえで起用する必要があります。
3.ステルスマーケティングに該当してしまう
ステルスマーケティング(ステマ)とは、商品やサービスのPRであることを伝えずに口コミや投稿などを発信することを言います。ステルスマーケティングは2023年10月に規制が導入され、ステルスマーケティングが「景品表示法」に違反する行為であると定められました。
インフルエンサーが企業のPRであることを記載せずに投稿や発信をしてしまうことで、ステルスマーケティングを疑われ、かえって世間からの企業のイメージ低下に繋がってしまうことも考えられます。
4.インフルエンサーによる不祥事・不適切発言/行動
起用しているインフルエンサーが不祥事を起こしたり、不適切発言・不適切行動を起こしてバッシングを受けると、起用している企業までもが損失を被ることがあります。企業イメージの低下やPR活動に影響が出ることはもちろん、投稿の取り下げや代替PRを用意しなければならないなど、さまざまな対応に追われることになります。
5.過去の不祥事・不適切発言/行動
インフルエンサーが過去に起こした不祥事や不適切発言・不適切行動が掘り返されて炎上するケースもあります。こちらも同様に、企業のイメージ低下やPR活動への影響など、企業へのマイナスな影響が大きくなってしまいます。
インフルエンサーを起用する際に見る3つのポイント
では、PR効果が大きい反面リスクも大きいインフルエンサーを起用する際、どんなことに気を付ければ良いのでしょうか?インフルエンサーを起用する際におさえておきたい3つのポイントをご紹介します。
1.インフルエンサーの経歴や不祥事などを確認
起用を検討しているインフルエンサーの経歴や過去の不祥事などがないかを確認しておきましょう。インフルエンサーを起用する際は「フォロワー数」「認知度」「影響力」なども重要なポイントとなりますが、万が一のリスクも念頭に入れて、起用を検討することが重要です。
2.ブランドイメージを逸脱しないか
起用するインフルエンサーによっては、ブランドイメージがガラッと変わってしまうことも考えられ、既存の企業や商品・サービスのファンの反感を買ってしまうこともあります。元々の企業イメージ・ブランドイメージから大きく逸脱しないようにインフルエンサーを起用することが大切です。
3.フォロワーとターゲット層に乖離がないか
起用するインフルエンサーのフォロワーも事前に確認をしておきましょう。フォロワーがターゲット層と大きく離れていると、予想以上のPR効果が見込めないことも考えられます。
インフルエンサーの炎上を防ぐ方法5選
ここまで、インフルエンサーを起用する際のリスクや起用時の注意点などをご紹介してきました。では、インフルエンサーを活用して炎上リスクを回避しながら効果的にPRを行っていくには、どうしたら良いでしょうか?対策を5つご紹介します。
1.インフルエンサー向けにSNS研修を行う
1つ目はインフルエンサー向けにSNS研修を行う方法です。企業によっては社内インフルエンサーをおいている場合と、インフルエンサーに依頼をしている場合があります。どちらの場合もリスクを背負っているので、どのようにSNSを運用したらいいのか、SNS研修で示すことが大切です。
- ・SNSで投稿してはいけない内容
- ・ステマに関する知識
- ・投稿が炎上してしまった場合、どんなふうに対応すれば良いのか
以上のような内容を含めることが大切です。
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従業員向けSNS教育を効率的・効果的に行う3つのポイントとは?
2.モニタリングを行う
起用しているインフルエンサーの投稿を定期的にチェックしておくことも大切です。炎上は発見が遅れ、対応が遅れると、企業への損失がかなり大きくなってしまいます。炎上しそうな投稿をしていないか、コメント欄が炎上していないかなどを常日頃から確認しておくことで、炎上の火種を早期に発見し、対処することができます。
3.SNS運用マニュアルを作成する
SNS運用マニュアルや社内のガイドラインがない場合は作成をしておきましょう。SNS運用にあたって、どんな投稿はしてよいのか、どんな投稿はしてはいけないのかを明記しておくことで、炎上トラブルの発生を防ぐことに繋がります。
4.投稿や発信内容のクリエイティブチェックを行う
インフルエンサーが投稿や発信を行う前に、クリエイティブチェックを行うことも有用です。問題になりそうな言葉やフレーズ、写真などが含まれていないかを事前にマニュアルを使用しながらチェックすることで、炎上リスクを格段に下げることができます。
5.有事発生時の対応フロー作成と実施
インフルエンサーや企業のSNS担当者に対して、実際に炎上が発生した場合を想定した対応フローの作成やシミュレーションを行うことが有効です。これにより、実際に炎上が起きた際に迅速かつ適切に対応するスキルが身に付き、ダメージを最小限に抑えることができます。
炎上対策を整えて、インフルエンサーを活用しよう!
本記事では、インフルエンサー起用におけるリスクや対策についてご紹介しました。インフルエンサーは大きな影響力や拡散力を持っているだけにリスクも大きくなりがちです。しかししっかりとリスク対策を行えば、企業にとってメリットも多いのがインフルエンサーマーケティングです。導入しやすいものから事前対策を行い、企業・ブランドPRを加速させていきましょう。
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