近年Instagramのリールをはじめ、TikTokやYouTubeショートなどSNSにおけるショート動画の需要が高まっています。ショート動画はその手軽さから幅広い世代に人気を集めており、今や認知拡大のためには欠かせない機能となっています。
とはいえ「動画を作るのはハードルが高い」「何を意識して作ったら良いのかわからない」と感じて、まだ手を出せていないという方も多いのではないでしょうか?本記事ではInstagramのショート動画機能「リール」の特徴や今すぐ実践できるリール作成のコツなどを詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧になり、今後のInstagram活用にお役立てください。
目次
Instagramリールとは?
Instagramのリール機能は、最長90秒の動画を投稿できる機能です。テキストやスタンプ、BGMなどを自由に組み合わせてオリジナルの投稿を作成することができます。
Instagramリールの特徴
Instagramにはフィード投稿やストーリーズ、インスタライブ、発見欄などさまざまな機能がついていますが、リールには以下のような特徴があります。
- ・最長90秒のフルスクリーン縦型動画
- ・動画の編集やテキスト、スタンプ、BGMの挿入ができる
- ・エフェクトやフィルターなどをつけることもできる
- ・エンタメとして流し見して楽しむコンテンツ
- ・フォロワー外にも拡散される
フィード投稿との違いはなんといっても、フォロワー外に拡散されることです。フォロワー外に拡散されることで、リールが一気にバズって認知が広がるということもあります。リールは認知のために利用し、興味を持ってくれた人に対して投稿やストーリーズを見てもらい、購入や契約に結びつける流れが一般的です。
SNSを伸ばすためにショート動画が有効な理由
現在、InstagramのリールだけでなくTikTokやYouTubeショートなど各SNS媒体でショート動画が大人気です。そのような背景から企業におけるSNSでのショート動画活用も盛んに行われています。ではここで、SNSを伸ばすためにショート動画を活用すべき理由についてご紹介します。
1. フォロワー以外のターゲット層にリーチする
Instagramリールをはじめ、TikTokやYouTubeショートなどのショート動画は、フォロワー以外にも拡散されます。フィード投稿やストーリーズなどは基本的にフォロワーにしかリーチしません。しかしリールは過去の閲覧履歴などをたどって興味のありそうなターゲットに投稿を表示してくれるので、フォロワー外のターゲット層にリーチすることが可能です。
また2024年のアルゴリズム改定により、フォロワー数に関係なくリールが拡散されることになったため、アカウントが小さくてもリールをフルに活用することができます。
2. 文字よりも多くの情報を伝えられる
1分間の動画では約180万字分の情報量を伝えることができると言われており、これはテキストの約5000倍と言われています。テキストや画像に比べて動画は、圧倒的に訴求力の強い媒体ということができます。文字ベースの投稿や画像では伝えきれない情報を伝えることができるため、上手く活用できればとても有効なPR媒体となります。
3. バズると爆発的に拡散される
先ほどもご紹介した通り、ショート動画はフォロワー外にも拡散されるので、爆発的に拡散されて「バズる」ことにより一気に認知を取ることができるようになります。アルゴリズムの変化により、フォロワー数が少ないアカウントのリールであっても拡散されるようになってきているため、積極的にリールを活用して、フォロワー数やCV数を上げていきましょう。
TikTokやYouTubeショートとの違いは?
「ショート動画」とまとめて言われることの多いTikTokやYouTubeショートとの違いはどんなところにあるのでしょうか?各媒体の特徴を下にまとめました。
※国内アクティブユーザー数は2024年11月時点
各SNSごとに特徴が異なるので、より効率的に活用できる方法を模索していきましょう。
Instagramリールのアルゴリズムとは?
Instagramの投稿は、フィード投稿、ストーリーズ、リールなどでそれぞれアルゴリズムによって最適化されています。Instagramには「大切な人や大好きなことと、あなたを近づける」というミッションがあります。このミッションをかなえるためのあらゆる基準を設け、ユーザーのコンテンツを精査してレコメンド(おすすめ)をしているという仕組みです。こうした仕組み=アルゴリズムを理解しておくことで、より拡散されやすいコンテンツを作成することができます。
リールにおける4つの重要アクション
ここでリールにおいておすすめ(レコメンド)されるために重要な4つのアクションをご紹介していきます。このアルゴリズムを理解しておくことで、より効果的にユーザーにリーチすることが可能になります。
1. シェアするかどうか
1つ目はリール動画を見た後にシェアするかどうかです。「誰かに共有したい」と思われるコンテンツほどユーザーの満足度が高いと評価されるためです。「共有する」というアクションは想像以上にハードルが高いため、重要な評価指標となっています。
2. 最後まで見るかどうか(完全視聴率)
2つ目はリール動画を最後まで見るかどうかです。リール動画は娯楽のために流し見しているユーザーが多いため、「つまらない」「飽きた」と感じた段階で次の動画へスキップされてしまいます。しかし最後まで見たくなる・繰り返し見たくなるような動画は良いコンテンツとして評価され、レコメンドされやすくなります。
3. いいねするかどうか
3つ目はいいねするかどうかです。いいねは数字としてわかりやすくコンテンツを評価してくれます。リールは娯楽として流し見されやすく、最後まで見てもらうことが難しいコンテンツだからこそ、「いいね」はとても貴重かつ評価の対象となるアクションになります。
4. 音源ページに移動するかどうか
4つ目は音源ページに移動するかどうかです。これはオリジナルコンテンツを見て「自分もリール動画を作ってみたい」という気持ちになったかを図る指標です。あるコンテンツから「楽しそう」「面白い」という着想を得て、新しいオリジナルコンテンツが生まれるという好循環に寄与できたという評価から、レコメンドの対象になります。
Instagramで拡散されにくいコンテンツ
Instagram公式では、レコメンドされにくいコンテンツに関しても提示しています。以下のポイントに気を付けてリールを作成する必要があります。
- ・解像度が低い動画
- ・透かし入りの動画
- ・ミュートになっている動画
- ・枠線を含む動画
- ・文字がメインの動画
- ・政治的な問題を中心に扱っている動画
- ・既にInstagramに投稿されている動画
- ※Instagramでは最初に投稿された投稿がオリジナルコンテンツになる
再生回数を伸ばす!Instagramリール作成のコツ
ではここで、再生回数を伸ばしてレコメンドされやすくなるInstagramリール作成のコツを5つご紹介していきます。
1. 最初の0.5秒~3秒で興味を引く
リールをはじめショート動画では最初の数秒で「この動画を見るかどうか」を瞬時に判断しています。リールをはじめとしたショート動画は娯楽として流し見しているユーザーがほとんどなので「興味ない」「面白くなさそう」と瞬間的に判断されたコンテンツはスルーされてしまいます。つまり時間をかけて動画を作っても、最初の数秒で勝負は決まってしまうわけです。そのため、最初の0.5秒~3秒の間にどれだけユーザーの心を掴めるかが重要なポイントです。
2. トレンドの型を使って投稿する
発見欄やリールでおすすめされているコンテンツは、ユーザーにとって有益で面白いとInstagram側から評価されているコンテンツです。そのため、こうしたコンテンツをリサーチして、トレンドの動画の型やBGMなどを取り入れながらオリジナルの動画を作っていくことがおすすめです。
ここでは企業の事例を踏まえながら、以下の7つのトレンドの型をご紹介します。
- ・【ランキング】
- ・【コント】
- ・【密着】
- ・【ノウハウ】
- ・【ショートドラマ】
- ・【Vlog】
- ・【紹介】
ランキング
ユニクロ|株式会社ファーストリテイリング
ユニクロ|公式Instagramより運用
ユニクロのInstagramリールでは「おすすめ〇選」「人気ランキング」のような形式で商品の紹介を行っています。他にも、社員やインスタグラマーによるPRやコラボ投稿なども行い、認知拡大を行っています。
コント
ユイカ|株式会社リソースクリエイション
ユイカ|公式Instagramより引用
TikTokで人気を集め、Instagramのリールでも100万回再生の動画を次々に投稿しているアカウントです。思わず突っ込みたくなってしまうような社員と社長のコントがバズり、認知拡大に成功した例です。
密着
むにぐるめ
むにぐるめ|公式Instagramより引用
ある和菓子屋さんのカステラ作りに密着したリールです。あたたかみのあるBGMとおいしそうなカステラが心を惹きつけ、最後まで見たくなってしまいます。何かを作り上げていくような動画は食べ物に限らず再生されやすい傾向にあります。
ノウハウ
SUQQU|株式会社エキップ
SUQQU|公式Instagramより引用
SUQQUのアイシャドウを使って実際にメイクをする動画です。「真似してみたい」と思えるようなためになるノウハウ系の投稿も再生されやすい傾向にあります。
ショートドラマ
こねこフィルム
こねこフィルム|公式Instagramより引用
ショートドラマは最近人気が高まりつつあるジャンルの一つです。タイパを重視する時流の中で、短時間で楽しめるようなクオリティの高い動画が人気です。企業でこうしたショートドラマを作成するのにはコストがかかりますが、こうした時流も抑えながらオリジナルコンテンツを作成していきましょう。
Vlog
松屋|松屋フーズ
松屋|公式Instagramより引用
松屋ではアレンジレシピやインフルエンサーとのタイアップ投稿をメインに投稿しています。「1人暮らし社会人」など、ユーザーが自分に置き換えて共感できる内容にすることで、自然と見入ってしまうような動画になっています。
紹介
楽天トラベル|楽天グループ株式会社
楽天トラベル|公式Instagramより引用
楽天トラベルでは、観光地や旅館の綺麗な映像をつなぎ合わせたリールを投稿しています。思わず「行ってみたい」「泊まってみたい」「食べてみたい」と思わせるような綺麗な映像でユーザーの心を掴んでいます。
トレンドの移り変わりはとても早く、次々と新しい動画が誕生していきます。ここでご紹介した型以外にも、カテゴリごとトレンドの投稿があるので、常に情報をキャッチアップしていくことが大事です。
3. わかりやすいテロップを表示する
リールをはじめショート動画は、音なしで再生する人も多くいます。そのため音がなくてもどんな動画なのかわかるようにテロップを入れてあげることで、離脱を防いで動画を視聴してもらえます。
4. 最後まで飽きずに楽しめるコンテンツ
ショート動画と言っても最長90秒の動画なので、最後まで飽きずに楽しめるコンテンツを作ることが大事です。内容がわかりにくい動画や情報量の少ない動画は離脱しやすくなってしまいます。ユーザー視点になって、最後まで飽きずに楽しめるようなコンテンツを作成してみましょう。
5. キャプションやコメント欄を活用する
リールはキャプション(詳細)やコメント欄を見ている間も再生され続けます。そのため、キャプションやコメント欄を見てもらう仕組みを作ることによって、動画の滞在時間を長くすることができます。動画はエンゲージメント(いいね、保存、コメント数など)はもちろん、動画のフル視聴率や視聴維持率なども重視されてレコメンドされるので、そうした導線を作っておくこともカギになります。
Instagramリール作成で気を付けるべきポイント
では次に、Instagramリール作成において気を付けておくべきポイントをご紹介します。
フォロワーが好むコンテンツを作成する
Instagramのアルゴリズムとして「初速で反応が良いものほどレコメンドされやすい」という特徴もあります。はじめはフォロワーにリーチし、その中で初速がなるべく早く、エンゲージメントが高いコンテンツがフォロワー外に拡散されていく仕組みです。そのため、どれだけトレンドの内容を反映しても、フォロワーの関心が薄ければ拡散されることは難しくなります。
なのでまずは、フォロワーがどのような属性を持つかを見極め、フォロワーの反応の良い投稿を行っていく必要があります。それぞれの投稿のエンゲージメントを確認してニーズを探っていくことで、まずはフォロワーウケの良い投稿をしていくことが大事です。
アカウントとして一貫した投稿をする
SNSのブランディングにおいて大事なのがアカウントの一貫性です。一貫されておきたいのは、投稿のトンマナ(デザインやスタイル、文言などの統一ルール)やメッセージ、ジャンルです。それらが投稿ごとに異なってしまうとプロフィールを見た時に「このアカウントをフォローしてどんな情報が得られるのか」がわかりにくくなってしまいます。
投稿やプロフィールで一貫したメッセージや投稿が行われていれば、ユーザーのCVもさせやすく、狙ったターゲットを集めやすいというメリットもあります。トレンドの型は無数にありますが、ターゲットから見てニーズがあるのか、興味を引くものなのかという軸はブラさずに投稿作成をしていくことが重要です。
ユーザーとのコミュニケーションを大事にする
Instagramで重要視されている項目はたくさんありますが、ユーザーとのコミュニケーションもとても重要視されています。もともとInstagramでは、いいねや保存といった指標をレコメンドの基準としていましたが、2024年のアルゴリズム改定の中でDMも重要視されるようになりました。コメントやDMでやり取りをした履歴のある人ほど、優先的に投稿が表示されるようになっています。
コメント欄へのコメントやDMなどが来たら、可能な限り丁寧に対応し、ユーザとのコミュニケーションを大事にしていくことで、エンゲージメントの向上に繋がっていくと考えられます。
多様な価値観を否定しない投稿を心がける
SNSには世界中のさまざまな価値観を持ったユーザーが存在しています。そのため、特に政治的な内容や性別に関する価値観、環境問題に関する内容などの投稿は、価値観のぶつかり合いから炎上してしまうこともよくあります。「バズる」という形での好意的な認知が取れれば良いですが、「炎上」という形でネガティブな認知が広まってしまうと、企業のブランドイメージやファン離れ、売り上げの低下や採用面での悪影響などが起こってしまうことも考えられます。
SNS担当者のみで作成からチェック、投稿までを行っていると、どうしても価値観の偏りに気づけないこともあります。そのためWチェックを行うなどして、炎上の火種がないか確認するフローも大事です。
SNSガイドラインを作成しておく
SNSを運用する限り炎上というリスクを100%防ぐことは難しいですが、最小限に抑えるため事前に、投稿作成のルールやチェック項目、DM対応のルール、炎上してしまった時のフローなどをまとめたSNSガイドライン(ソーシャルメディアガイドライン)を作成しておくことも大事です。
またガイドラインを作成しておくことで、SNS運用担当者の属人化を防ぐことにも繋がります。複数人で運用をする際にも一貫性のあるアカウント運用を行うことが可能です。
Instagramのショート動画を活用してアカウントを効果的に伸ばそう!
本記事では、Instagramリールのアルゴリズムや再生回数を増やすコツなどをご紹介してきました。ショート動画はコツを掴めばフォロワー外にもリーチを広げられるため、アカウントを伸ばすのにとても有効な手段です。今後のリール活用にぜひお役立てください。
また「SNSを使っているけどガイドラインは作ってない」「炎上したときの対応がわからない・決まっていない」といった不安を持ったご担当者様もいらっしゃるかと思います。ジールコミュニケーションズが提供している【今すぐ使える】ソーシャルメディアガイドラインの雛形では今すぐ使えるガイドラインの雛形をご紹介しているので、ぜひご活用いただきSNS運用を安心して行える体制づくりにお役立てください。