SNSガバナンスは大丈夫?企業SNSアカウント管理方法【基本編】

「いろんな部署、店舗でSNSを使っているけど、特に管理はできていない」

SNSを使って集客やブランディングを行う企業は大変増えていますが、この状況、実はとても危ないです。企業のSNSアカウント管理体制の甘さから起こりうるリスクはとても多くその被害も甚大です。

本記事ではアカウント管理不足のリスクから、SNS運用を行う企業で今行っておきたいアカウント管理方法までをわかりやすく解説します。

SNSアカウント管理体制の甘さから起こりうるリスク

SNSアカウントの管理が甘いとどのようなリスクが起こりうるのでしょうか?ここでは大きく4つのリスクをご紹介します。

各アカウントで不適切な投稿が行われるリスク

アカウントの管理体制が不十分な場合、各アカウントで企業として発信すべきでない投稿をされてしまう可能性があります。例えば倫理観・道徳観に欠けた内容・発言や投稿者個人の意見を企業アカウントで発信した投稿などが炎上につながるケースとして多くあります。

公式SNSアカウントが増え、フォロワーが分散するリスク

アカウントが管理できていないと、知らないところでアカウントが複数作成されてしまう可能性があります。アカウントが増えるとフォロワーが分散してしまうため、上手く集客につなげることが出来なくなってしまいます。いくつアカウントを作成したら効果的なのかを再考する必要もあります。

アカウントの乗っ取りが行われるリスク

パスワードやログイン時の認証ルールなどを定めて管理しておかないと、パスワードが流出しアカウントの乗っ取りが行われてしまう可能性もあります。アカウントが乗っ取られると公式アカウントとして勝手に投稿されてしまうため、関係のない内容や誤情報を流されてしまったり、フォロワーに対して不利益なメッセージが送信されてしまったりするリスクがあります。

アカウントが放置され、ブランドイメージの低下につながるリスク

アカウントの管理がされていないと、アカウントを開設しても投稿が止まってアカウントが放置されてしまう可能性もあります。他の業務の隙間でSNS運用を行うことになるため、投稿頻度やクオリティなどを管理しておかなければ後回しにしてしまうことも考えられます。発信を待っているフォロワーの期待を裏切ることになってしまい、ブランドイメージの低下につながる恐れもあります。

企業アカウント管理のポイント

では、SNSアカウントはどのように管理をしていけば良いのでしょうか?まずはアカウント管理で重要なポイントを3つご紹介します。

1. 部署を横断してアカウントを管理する

SNSアカウントは各部署や各支店、各店舗などさまざまな人が関わって運用をしていると思いますが、それを一括管理できていないというケースがとても多いです。そのため、部署や支店、店舗を横断してアカウントを管理するような組織を作ることがとても大切です。

2. アカウントの管理者を設定する

1つのアカウントに対し、運用担当者と管理者を設定し、責任の所在を明確にしておくことが大切です。各部署や各支店、各店舗で決めるのではなく、企業全体として責任の所在を決め、担当に応じた業務を付与することが大切です。

3. SNS運用の目的を明確に示す

なんとなくでアカウント開設をしてしまうと、運用担当者も管理者も何を目的に運用していくのかわからなくなり、コンセプトとズレた投稿をしてしまったり、個人の意見を反映したような不適切な投稿をしてしまったりする可能性もあります。そのため例えば「SNSから月〇人集客をするためにSNSを使う」といったように目的を定め、SNS運用に関わる社員に共通で明確に示しておくことがとても大切です。

企業のSNSアカウント管理方法

ではここで、企業のSNSアカウント管理方法をご紹介していきます。

1. アカウント管理の専門部署・チームを作る

まずはアカウント管理の専門部署・チームを作りましょう。上記の通り、SNSアカウントは各部署、各支店、各店舗などでそれぞれに開設され運用が行われているため、それぞれの独自ルールで運用が行われてしまっているケースがほとんどです。それらのアカウントを全体管理するためには、SNS運用に関わる部署を横断して管理するような部署・チームを設けることが大事です。

2. アカウント開設マニュアルを作成する

パスワードやアカウントの設定など、既定のフローを踏んでアカウントを運用してもらうために、アカウント開設マニュアルを作成しましょう。新しくアカウントを作る場合はこのマニュアルに沿って、既存のアカウントを整備する場合にもこのマニュアルに沿って、アカウントを再設定していきましょう。

3. SNSアカウント運用のルールメイクを行う

SNSで投稿してはいけない投稿やDMの対応方法、投稿頻度、その他運用の禁止事項などのルールメイクを行いましょう。同時に投稿時のチェックリストを作っておくことで、運用担当者の投稿ミスや炎上可能性を抑えることができます。

4. 各アカウントの管理者向けに研修を行う

それぞれのアカウントの管理者となる方向けに研修を行いましょう。3で決めた運用ルールを研修で落とし込み、実際に運用ができるような状態に整えていきます。実際の現場で管理ができるように、研修を通して運用ルールを落とし込んでいきましょう。

5. 研修・マニュアルに沿って運用を行い、トラブル発生時の窓口となる

研修や運用ルールに沿って、各アカウントの運用を行ってみましょう。もしトラブルが起きたら、アカウント管理専門部署・チームが窓口となって管理をしていきましょう。

6. モニタリングを行う

各アカウントの投稿をモニタリング(監視)することも、アカウント管理の視点ではとても大切です。モニタリングをすることで、炎上が起こりそうな投稿やコメントが荒れそうな投稿を早めに見つけて対応することができます。すべてのアカウントの投稿をモニタリングすることは難しいので、

  • ・毎日決まった時間に一通り問題がないか確認する
  • ・炎上リスクがありそうな投稿を見つけたら各アカウントの管理者に報告してもらう
  • ・外部にモニタリングを依頼する

など自社に合った形でリスク管理体制を整えていきましょう。

アカウント管理体制を整えて、安全にSNS運用を行おう!

本記事では、企業がすべきSNSアカウント管理方法をご紹介してきました。アカウント管理の体制を整えることで、SNSを発端とした思わぬリスクを防ぐことができます。まずは自社のSNSアカウントを確認し、どのようなリスクが起こりうるか、どのような対策をとるべきか改めて検討してみましょう。

ホワイトペーパー「企業の炎上リスクに備える為の9つの項目」では、SNSを運用する上で起こりうる9つのリスクとその対策をわかりやすくまとめています。どれもSNSトラブルが起きる前に対策をしておきたい項目なので、ご担当者様はぜひお役立てください!