ネットリテラシーとは?SNS炎上トラブルを防ぐために企業で取り組むべき対策

ネットやSNSの発展・普及に伴い「ネットリテラシー」という言葉をよく耳にするようになりました。ネットやSNSが日常生活になくてはならないものとなった今、ネットリテラシーが低いとさまざまなトラブルに巻き込まれたり、企業に甚大な影響を与える可能性もあります。そこで本記事ではネットリテラシーの概要と必要性、ネットリテラシー教育の進め方をわかりやすく解説していきます。

また「ネット・SNSのリテラシー研修を行いたい」という方には、ジールコミュニケーションズが開催するセミナー【これだけでできるSNS教育のイロハ】もおすすめです。ぜひ本記事と合わせて、今後のネットリテラシー教育にお役立てください!

ネットリテラシー(インターネットリテラシー)とは?

ネットリテラシー(インターネットリテラシー)とは、インターネットに関するリスクやルールを理解し、情報を取捨選択したり、正しく情報発信を行ったりして、適切にインターネットを利用できる能力のことを指します。

昨今はインターネットやSNSが日常生活に浸透し、ネット・SNS上に膨大な量の情報が溢れかえっています。しかしその中にはデマや真偽が不明な情報なども含まれており、情報を受け取る側が情報を見極めて正しく判断する能力が必要とされています。

企業でネットリテラシー教育を行うべき理由

最近はネットやSNSで情報発信をする機会が、企業だけでなく個人でも増えました。受信リスクが圧倒的に多かったこれまでですが、昨今は個人でもネットやSNSを通じて情報を発信するようになったため、発信していい内容とそうでない内容を判断できる能力も求められています。

実際に頻発するケースとしては、企業の公式SNS運用を担当する社員のリテラシーが低く、投稿が炎上してしまうといったパターンです。また、従業員個人のSNSで社名を出して問題発言をするなどのケースもたびたび起こっています。誰でも簡単に情報発信ができるようになった今だからこそ、改めて従業員のネットリテラシー教育が急務となっています。

ネットリテラシーが低いことで起こる4つのリスク

では、ネットリテラシーが低いとどのようなリスクが考えられるのでしょうか。起こりうるリスクを大きく4つご紹介します。

1. SNS炎上によるブランド毀損

投稿していい内容とそうでない内容を判断出来なければ、ネット・SNS上で過激な発言をして炎上してしまう可能性も高くなります。運用している公式SNSが炎上すれば会社の信頼を落として業績の悪化につながってしまったり、ブランドイメージ・価値を低下させてしまったりする可能性もあります。

また従業員個人がプライベートのSNSを炎上させてしまった場合にも、社名が突き止められてしまう場合には「社員のリテラシーが低い会社」というイメージを持たれてしまいます。内容が内部告発寄りだった場合には会社のブランド価値の低下や、最悪の場合は行政処分や倒産につながる恐れもあります。

2. 個人・会社情報の流出

ネットリテラシーが低いことで、個人情報や会社情報が流出する可能性も高まります。

  • ・会社のオフィスをSNSに投稿したら、写真に顧客情報が含まれていた
  • ・従業員用のLINEグループに流れた個人情報をスクショして友人に送ってしまった
  • ・スパムメールを開いて個人情報を入力してしまった
  • ・詐欺サイトを開いてしまい機密情報を抜かれてしまった

など、あらゆるところに個人・会社の機密情報が流出する可能性が潜んでいます。個人情報の流出は、取引企業や顧客との信頼に大きく関わり、信頼の喪失や契約破棄にもつながりかねません。従業員はこれらの情報流出のリスクを十分に理解し、適切な判断と行動ができるようにすることが重要です。

3. ウイルス・マルウェア感染

ネットリテラシーの低さは、ウイルス感染やマルウェア感染のリスクも高めます。危険なウェブサイトを開いてしまったり、詐欺メールを開封して情報を入力してしまったりすると、企業情報や個人情報が流出したり、アカウントが乗っ取られたりとさまざまな被害が考えられます。従業員が感染リスクを理解し、サイトやメールを取捨選択して対応できるようにすることはもちろんのこと、会社のセキュリティ体制自体も同時に見直していく必要があります。

4. 名誉棄損・知的財産権の侵害

ネットリテラシーが低いと名誉棄損や著作権侵害などの知的財産権違反を起こしてしまうリスクもあります。たとえばSNSやネットで誹謗中傷の書き込みや揶揄するような内容を書き込めば、場合によっては訴えられて名誉棄損罪に該当する場合もあります。またSNS投稿を作成する際に他社の著作物を無断で使用することは著作権侵害に該当します。こうした行為は意図せずに行ってしまうこともあるため、どんな行為が人権侵害や違法になるのかを事前に知って理解しておくことが重要です。

ネットリテラシーはどうやって身に付く?リテラシーを高める方法

ではこうしたトラブルを防ぐために、どのようにネットリテラシーを身に付けていけば良いのでしょうか?企業ができるネットリテラシーを高める方法をご紹介します。

1. ネットリテラシー研修の実施

1つ目はネットリテラシー研修の実施です。ネットやSNSのリスクから会社や従業員を守るためには、従業員全員のリテラシーを高める必要があります。そのため定期的に研修を行う、ネットリテラシーを高める機会を積極的に設けていくことが重要です。

  • ・SNS運用担当向けにSNS発信の際の炎上リスクや回避方法を周知する
  • ・新入社員向けに社内外でのSNSの利用方法を伝える
  • ・全社員向けにウイルス感染・情報流出のリスクとその対策を周知する

など対象ごとにプログラム内容を決め、実施方法を工夫することで定着率が高まります。1回実施して終わり、ではなく、テーマを変えたり最新の傾向・情報にアップデートしながら繰り返し研修を実施していくことで効果が高まります。

2. ガイドラインの作成

情報の取り扱いや発信ルールに関して、社内でガイドラインを取り決めておきましょう。作成しておくことでトラブルを回避しやすくなり、ネットやSNSを利用しやすくなります。

  • ・SNSで投稿してはいけない/して良い内容
  • ・投稿前のチェック事項
  • ・著作権に関する注意点
  • ・アカウントパスワードの設定ルール
  • ・トラブルや炎上発生時の対応フロー

ガイドラインには上記のような内容を定めておきましょう。ガイドラインも一度作成して終わりではなく、定期的に見直しを行い、最新の情報にアップデートしていくことが重要です。

効果的に実施するために!ネットリテラシー教育で意識すべきポイント

では効果のある研修を実施するためにはどのようにネットリテラシー教育を進めていけば良いのでしょうか?実施にあたって意識すべきポイントをまとめました。

1. 世代や部署に合わせた研修内容にする

ネットリテラシー教育は世代や部署に合わせた内容で実施することで効果が高まります。

特徴研修ポイント
新卒社員SNSやネットを
使いこなしている
・SNSでの炎上リスク
・社会人としての
ネット/SNS利用ルール
役員・管理職SNSを使いこなしておらず
仕組みやリスクに疎い
・SNSの仕組みやリスク
・発信時の注意点
SNS運用担当企業のSNS運用に直接関わる・SNSの炎上リスク
・発信時の注意点
・炎上時の対応フロー

例えば新入社員はSNSやネットを使いこなしていますが、炎上リスクや社会人としての利用ルールに関しては疎い傾向にあります。一方で役員・管理職社員はSNSに疎く、SNSの仕組みや炎上リスクについて把握できていないという方も多くいらっしゃいます。役員や管理職クラスの社員がSNSで名前を出して発信するケースも多いため、ネット・SNSリテラシーを身に付けていく必要があります。

このように世代や部署によってネット・SNSに関する認識やリテラシーレベル、発生リスクが異なるため、対象に合わせて研修内容を変えていく必要があります。

2. 当事者意識を持ってもらえるようにする

ただ研修をやって終わりではなく、対象者には当事者意識を持って聞いてもらい、内容を十分に理解してもらう必要があります。そのためにも「当事者意識」を持ってもらえるような研修の企画が重要です。

例えば個人のSNS炎上リスクをテーマに研修を行うとすれば、実際に炎上して企業に影響が出た事例を取り上げたり、「どうすれば炎上を避けられたのか」ワークショップ形式で話し合ってみたりと、研修の実施方法を工夫してみましょう。自分事として捉えてもらうことで研修の効果が高まり、会社全体でのリテラシーレベルの向上に繋がります。

3. 繰り返し研修と理解度チェックを行う

研修を行ったら、対象者に対して理解度チェックを行いましょう。理解度チェックを行うことで定着度を確認できることはもちろん、次回の研修にも活かすことができます。1回の研修で全て理解・実践してもらうことは難しいので、年に1回、半年に1回などの頻度で定期的に研修を行っていくことが大切です。

会社と従業員を守るために「ネットリテラシー教育」を行おう

本記事ではネットリテラシーについて、教育の必要性や教育の実施方法についてご紹介してきました。会社はもちろん従業員をネット・SNSのリスクから守るためにも、会社全体でネットリテラシーを身に付けていくことが重要です。まずはご紹介した「ネットリテラシー研修」と「ガイドライン作成」から取り組んで、ネットリテラシーを高める取り組みに着手してみてください。

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